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仕事から「逃げていい時」と「逃げてはいけない時」のを見極める2つの判断基準
最近立て続けに、自己理解プログラムのメンバーから「今の仕事を辞めたいと思っているのですが、これって逃げでしょうか?」と相談される機会がありました。
その質問に対する回答をここにまとめておきます。
この記事を読めば、今後自分が仕事を辞めるかどうか迷った時に、スパッと決断できるようになります。
結論から言いますね。2つの基準で判断してください。
- 「目的がない」なら逃げろ。「目的がある」なら逃げるな。
- 「特性が合わず苦手」なら逃げろ。「スキル・知識不足」なら逃げるな。
1つずつ詳しく説明します。
判断基準① 「目的がない」なら逃げろ。「目的がある」なら逃げるな。
まず最も重要な判断基準を説明します。
それは、今その仕事を頑張った先に「人生の目的につながっているかどうか」です。
人生の目的とは「人生のゴール」と言い換えてもいいでしょう。
目的につながっていないなら、会社を辞めるのは「逃げ」ではなく「ルート変更」
今その仕事を頑張っても、人生の目的につながっていないと感じるならさっさと辞めてください。
それは「逃げ」ではなく「ルート変更」です。
アメリカに行きたいと思っている人が、間違ってフィンランドに向かってしまっているのに途中で気づいたら「あっ間違ってた、ルート変えよう」と思いますよね。
それを見て「逃げるな!」と言っている人がいたら、バカです。
だって自分の人生のゴールにつながっていない道を走り続けても、全く意味がないですから。
人間は無意味に感じることを続けらない
人間は、無意味に感じることを続けることはできません。
ドストエフスキーが著作『死の家の記録』でこんなことを書いています。
シベリアに流刑された男は、半日かけて穴を掘り、半日かけてその穴を埋めるという強制労働をひたすらやらされた。
朝、自分で掘った穴を、午後、自分で埋めている。
そんなふうになったら、誰だって生きる意味が見出せなくなる。
何の意味もない単純作業を延々とやらされると、やがて人は精神に異常をきたし発狂する。
穴を掘って埋めるような無意味な作業を人間は続けられません。
目的さえあれば、人間は何でも乗り越えられる
反対に、意味さえ感じられれば、どんなことでも人間は乗り越えられるとも言えます。
ナチスの強制収容所で4年を過ごした精神科医のヴィクトール・フランクルは著作『夜と霧』の中でこう書いています。
強制収容所の人間を精神的に奮い立たせるには、まず未来に目的をもたせなければならなかった。
被収容者を対象とした心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは、ニーチェの的を射た格言だろう。
『なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える』。
したがって被収容者には、彼らが生きる『なぜ』を、生きる目的を、ことあるごとに意識させ、現在のありようの悲惨な「どのように」に、つまり収容所生活のおぞましさに精神的に耐え、抵抗できるようにしてやらねばないらない。
仕事の目的を見失っている状態で働いているのは、強制収容所で奴隷として働いているような気持ちに近いかもしれません。
そもそも人生の目的が分からない場合はどうすればいい?
と言っても、ほとんどの人が「人生の目的ってなんだ?」という状態だと思います。
人生の目的とは言い換えると「価値観」です。自分が最も価値を感じることに人生を使えたら、そりゃ幸せですよね。
「何のために生きていますか?」という質問に対して、はっきりと答えられる人はごく僅かでしょう。
僕も昔は全く言葉にできませんでした。
しかし、言葉にできなくとも、今の仕事が人生の目的と合っているかズレているかは、直感で分かるでしょう。
アメリカに行きたいのに、フィンランドに向かっているくらい、ズレすぎていると感じた場合はすぐに辞めた方がいいです。
逆に、方向性は合っているのに目先のハードな課題から逃れたいと感じている場合は「逃げ」である場合が多いです。
ズレているかどうか微妙な場合は、自分の人生の目的を明確にする時間を取りましょう。
そして今の仕事が人生の目的に繋がっているかどうかを確認する必要があります。
無料オンライン個別相談に申し込むか、以下の動画を見るのがおすすめです。
判断基準②「特性が合わず苦手」なら仕事を変えろ。「スキルや知識不足で苦手」なら逃げるな。
2つ目の判断基準を説明します。
それは、今その仕事を頑張った先に「特性的に苦手で辛いのか?スキルや知識不足で苦手で辛いのか?」です。
特性が合わず辛いのであれば、今すぐ仕事を変えろ
自分がもともと持っている性質(特性)と、仕事がズレていて辛いなら、今すぐ仕事を変えることをお勧めします。
これは「逃げ」ではなく「生存戦略」ですね。
魚が「陸で生きるのが大変だ。海へ帰ろう。」と言っているのを見て、「逃げるな!」と言う人はいませんよね。
魚は泳ぎを活かせる場所で、生きるのが生存のために必要なので当然です。
同じように、人間も自分の特性にマッチした場所で生きるのが当然の生存戦略です。
特性に合っていない仕事をするのは、右利きなのに、ずっと左手しか使わず生きるようなものです。
もともと右利きで、右手を使っている人には同じ努力をしても勝つことはできません。
自分を変える努力から、自分を活かす努力へ
仕事の話ではありませんが、僕の例を挙げておきます。
僕は「たくさん友達がいて好かれている人間にならねば…!」と思ってずっと生きてました。
それを克服するためにヒッチハイクを100回やったりしました。
しかし、僕の初対面の人に対する心理的ハードルは何も変わらず、憧れていたような友達がたくさんいる人間になることはできませんでした。
短所をなくそうとする努力は苦しく、その先には「自分は努力しても変われない」という自己否定しかありませんでした。
けれどある時、短所をなくそうとするのではなく、視点を変えればいいことに気がつきました。
一見、短所にしか見えない「人と長時間一緒にいると消耗して疲れる」という才能を別の視点から見た場合、どんな長所になるでしょうか?
僕の場合は「1人で物事に没頭できる」という長所に変わりました。
ブログをコツコツ書き、本を書くことができたのも、「1人で物事に没頭できる」という長所があったからです。
考え方を根本的に変えましょう。
「自分を変える努力」は今後一切必要ありません。やればやるほど、自信を失います。
「自分を活かす努力」を始めましょう。
あなたの特性が活きる仕事をした方が、自分も楽しく、社会にも貢献することができます。
スキルや知識不足で辛いのであれば、学べ
逆に今の仕事の辛さが、スキルや知識不足から生まれているのであれば「勉強する」ことをお勧めします。
できないことや知らないことが出てくるたびに逃げていると、キャリアが何も積み重ならないので。
僕も今の仕事で知らないことが次々と出てきますが、その度に本と格闘してなんとか新しいことを学んで行っています。
「特性が合っていないのか、スキルと知識が足りていないのか」どちらかが分からない場合
「特性が合っていないのか、スキルと知識が足りていないのか」どちらかが分からない場合は、一度必死に克服できないかと取り組んでみましょう。
僕自身が「人付き合いが苦手で、これは変えられない特性だ」と気づけたのも、一度向いていないことでも必死に学ぼうとしてみたからです。
ハッキリと自分の特性が分かったので、苦手なコミュニケーションを最小限にして生きることが今できています。
仕事から「逃げていい時」と「逃げてはいけない時」の見極める2つの判断基準
改めてこの記事で伝えたいことをまとめます。
- 「目的がない」なら逃げろ。「目的がある」なら逃げるな。
- 「特性が合わず苦手」なら逃げろ。「スキル・知識不足」なら逃げるな。
目的がズレている時に仕事を辞めるのは、逃げではなく「ルート変更」です。
特性が合わなくて仕事を辞めるのは、逃げではなく「生存戦略」です。
あなたの人生の目的を定めて、そこに到達するために「強み」を活かせているかどうかが重要です。
「この仕事を辞めるのは逃げなのか?」と迷っている方の参考になればとても嬉しいです。
以上、仕事から「逃げていい時」と「逃げてはいけない時」の見極める2つの判断基準でした。