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認知特性とは?頭の良さを6つに分類する診断を解説する
- 人の顔はすぐ覚えられるのに名前が覚えられない。
- 暗記は得意なのに、人の顔が覚えられない
- 歌の歌詞は覚えられるのに、暗記問題は苦手
このような経験はありませんか?
人は五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)から外部の情報を読み取ります。
そして、80%以上の情報を視覚から吸収すると言われています。
しかし、誰もが同じ方法で情報を取り入れるわけではありません。
申し遅れました。自分コンパスのライター”ぼり”と申します。
ぼくは、一度通った道はほぼ忘れません。全てを風景で覚えています。頭の中に写真のように通った道が記憶されているんです。
しかし、メールなどの文章で「〇〇が見えたら左に曲がって…」とかって、道を言葉で説明されても正確に辿り着けません。全くイメージが沸かないんです。
道は一発で覚えられる。でも暗記は死ぬほど苦手。これって一体なんなんでしょうか。
「認知特性」による情報認識方法の違いです。
この記事ではこの、認知特性について詳しく解説していきます。
認知特性とは
認知特性とは何なのか。本から引用します。
認知特性とは、神経心理学の分野ではよく使われる言葉です。
ひと言でいうと、「外界からの情報を頭の中で理解したり、整理したり、記憶したり、表現したりする方法」です。
同じことを聞いても、誰もが同じように理解するわけではありません。
同じ結論を持っていても、同じように表現するわけでもありません。
人にはそれぞれ生まれ持った思考や認知の好みがあるのです。
医学博士の本田真美さんが作った診断ツールをもとに、人それぞれの思考や認知の好みを分類し、各個人で違う”やりやすさ”を分析。
認知特性はまず、大きく3つに分かれます。
- 「見た情報」を処理するのが得意な人→視覚優位者
- 「読んだ情報」を処理するのが得意な人→言語優位者
- 「聞いた情報」を処理するのが得意な人→聴覚優位者
そしてこの大きな枠組みの中で、認知特性は各タイプ2種類ずつ、合計6種類に分かれます。
ただし、認知特性はオーバーラップ(重複)しているところもあり、誰もが「絶対にこのタイプ!」と線引できるものではありません。
6つの資質をバランス良く使っている人もいれば、1つに特化している人もいます。
見る、読む、聞くの大きな資質から、さらに6つに分かれる資質は後ほど実例を踏まえて詳しく説明します。
認知特性を知る方法
自分の認知特性を知るためのテストの受け方は以下の2パターン。
- 以下の本「医師のつくった「頭のよさ」テスト」を購入して受ける。
- 以下のエクセル「本田40式認知特性テスト 診断ツール」を無料ダウンロードして受ける。
おすすめは自動で結果が集計できる「2.エクセル」です。
認知特性について数多くの著書を出版されている、本田真美さんという方が作ったエクセル形式のシートに添って質問に答えていくと、6種類の資質の中で、自分のどの資質が強いのかを知ることができます。
6種類に分かれる認知特性の特徴と活かし方
これから、実際の書籍をもとに、詳しい解説をしていきます。
各特性において「子供の頃に〇〇だった方は〜」と解説されていますが、大人になると継続して行う仕事の内容などで、本来の資質とは関係なく「慣れ」ができあがります。
慣れと人間本来が持っている資質は違うので、子供の頃の感覚を思い出しながらイメージしてみてください。
見た情報を処理するのが得意な「視覚優位者」
子供の頃に絵を描くのが好きだった方は多くは以下の2タイプの特性を持っています。
1.写真(カメラアイ)タイプ
- 一言で言うと:カツオくんが描けるアーティスト系
- 職業:写真家や画家、デザイナーに多い
このタイプの特徴
このタイプの人は、頭の中にカメラを持っていて、何かを記憶するときはそのカメラのシャッターをきり、写真として一枚一枚頭の引き出しにしまっていきます。
記憶に関しては、膨大な量の写真アルバムを脳の中に持っています。 あなたは何も見ずにサザエさんの絵を描くことができますか。アンパンマンやドラえもん、キティちゃんの絵はそれなりに上手に描ける人も多いのですが、ばいきんまんやのび太くん、カツオくんはどうでしょうか。
2.三次元映像(3D)タイプ
- 一言で言うと:どんな人の顔も見分けられるエキスパート
- 職業:建築家やパイロット、外科医、機械技術職、テレビや映画の舞台製作者やテレビカメラマンなどに多い
このタイプの特徴
同じ視覚優位者でも前述の写真タイプと異なるのは、空間と時間という軸が加わった点です。
このタイプは、人の顔を覚えることも得意です。なぜなら人の顔は立体的で、私たちは目、鼻、口の奥行きや角度を認識することで、他者の顔を覚えたり表情を読み取ったりしているからです。つまり、人の顔や表情の認識も三次元イメージによるものなのです。
先ほどの「病院までどうやって来たか書いてください」という質問には、写真タイプと同じように文章ではなく図式や地図で書く子どもが多いのですが、信号の数やポスト、店の看板を立体的に書き加える子もいます。自分の見た風景を、順序よく時間を追うように説明できるのが特徴です。
3.読んだ情報を処理するのが得意な「言語優位者」
子供の頃に読書感想文を書き上げることが苦にならなかった方は、以下の2タイプの特性を持っていることが多いです。
言語映像(ファンタジー)タイプ
- 一言で言うと:イメージをすぐに言葉にできるファンタジスト
- 職業:コピーライターや絵本作家、雑誌の編集者、作詞家などに多い
このタイプの特徴
本や小説を読むとその場面が容易に想像でき、文章よりは映像イメージとして記憶します。言語を映像化することも、逆に映像を言語化することも得意です。 視覚優位者が感覚的思考者とすれば、言語優位者は、イメージを言語に結びつけることから論理的思考者ともいえます。 感覚的思考者は主に右脳を使っているといわれていますが、言語映像タイプは言語機能をつかさどる左脳とイメージをつかさどる右脳の両方をバランスよく使うことができます。右脳と左脳のあいだには「脳梁」という二つの脳の情報が行きかう場所があるのですが、その部分が発達しているともいえるでしょう。
たとえば、「野菜の名前を時間内にできるだけ多くあげよ」という問題です(認知特性テスト・問11)。ニンジン、キャベツ、ピーマン、白菜……と答えていくのですが、答えながら野菜そのものをイメージする人、絵本で見た野菜の写真やスーパーマーケットの陳列棚をイメージする人は、写真タイプか三次元映像タイプ、もしくは言語映像タイプの人でしょう。
4.言語抽象(辞書)タイプ
- 一言で言うと:わかりやすくノートをまとめる達人
- 職業:内科系医師や作家、教師、金融関係者、心理学者に多い
このタイプの特徴
このタイプは、わかりづらい文章を図式化することが得意です。たとえば歴史の本を読むとき、視覚優位者は当時の戦いの場面や城をイメージしやすいのに対し、言語抽象タイプは家系図や登場人物の相関図のほうが浮かびやすいのです。 また、言語映像タイプは言葉と映像を結びつけて情報を処理しますが、言語抽象タイプは言葉に文字や数字、図を系統立てて結びつけるのが得意です。
英単語を覚えるのに、ノートに一生懸命書いたという人は、このタイプでしょう。
聞いた情報を処理するのが得意な「聴覚優位者」
子供の頃に音楽を聞くのが得意だったり、おしゃべりをするのが得意だったりした方は以下の2つの特性のどちらかを持っている場合が多いです。
5.聴覚言語(ラジオ)タイプ
- 一言で言うと:オヤジでなくてもダジャレ上手
- 職業:弁護士や教師、落語家、アナウンサー、作詞家に多い
このタイプの特徴
言語映像タイプや言語抽象タイプは「言葉を見る」のが得意なのに対し、聴覚言語タイプは「言葉を聞く」のが得意です。音声という聴覚情報のみで言語を脳内に取り入れられるのが大きな特徴ですが、言語優位という点では、先ほどの言語抽象タイプとオーバーラップしています。 また、視覚優位者が芸術、空間認知力に長けた右脳優位者とすれば、聴覚言語タイプはまさに言語をつかさどる左脳優位者といえます。 このタイプは、相手が話している音だけで内容を理解でき、イメージよりは言語そのもので思考を働かせることができます。そのため、脳内で自分自身と対話をする「サイレントトーク」が得意です。 本の読み聞かせをしたときや劇や映画、ミュージカルを観たときに、セリフをそのまますぐに覚えられます。一度聞いたコマーシャルのフレーズや歌の歌詞を覚えるのも得意です。
英単語を覚えるときに、ノートに書くよりもテープに吹き込んだ自分の声を何度も繰り返して聞いたり、暗唱したりして覚えた人もこのタイプです。聴覚言語タイプは、勉強するときはリスニング教材やラジオ講座など聴覚的な情報を繰り返し聞くほうが効率的で成果が上がります。
6.聴覚&音(サウンド)タイプ
- 一言で言うと:英語の発音も素晴らしい絶対音感タイプ
- 職業:音楽家
このタイプの特徴
聴覚言語タイプと同様に聴覚的な情報入力が得意ですが、異なる点は音階や音色といった言語的な意味を持たない情報も、イメージとして脳内で処理できるということです。認知特性テストの問32で、絶対音感が「ある」と答えた人は、このタイプです。 絶対音感(absolute pitch)とは、外的な基準音を参考にせずに任意の音の高さを判断できる、あるいは自らの声や楽器で任意の高さの音をつくり出せる能力のことで、音楽家の多くが持っている特別な能力といわれています。
CMソングや映画、劇で使われる音楽を一度聞いただけで、歌詞ではなくメロディのほうを覚え、口ずさむことができる人もこのタイプです。 また、このタイプの中には自分で聞いた(脳内に入力された)音を、自分の声として発声(出力)できる人もいて、知り合いの人の話し声、動物の鳴き声など聞いた音をそのまま再現できます。
前述の聴覚言語タイプと同様に、何かを学ぶときはリスニング教材やラジオ講座、あるいは自身で暗唱するなど、聴覚的な情報を利用したほうが効率的です。
理解した認知特性を日常で活用する方法
認知特性を理解したところで、もちろん日常に落とし込んで活かすことができなければ意味がありません。
では、実際にどう活かせばいいのか。
実例として、ぼくの診断結果と照らし合わせて考えてみます。
ライター”ぼり”の場合
こちらがぼくの実際の診断結果です。
- 14以下 弱い認知特性→内側の赤枠
- 15〜45 一般的なレベル
- 46以上 強い認知特性(特化した能力)→外側の赤枠
カメラタイプ・3Dタイプ・ファンタジータイプが強みに出ています。
得意なのは、情報を脳内で画像や動画として記憶する(カメラ・3D)こと。
読んだり聞いたりした情報から映像をイメージする(ファンタジー)こと。 逆に苦手なのは、文章の暗記(辞書)や耳から入れる情報の処理(ラジオ・サウンド)。
これをどう仕事や勉強で活かせばいいか考察してみます。
”ぼり”が仕事面で認知特性を活かすなら
ファンタジータイプを仕事に活かす
結果を見たとき、「ライターとして文章の取り入れ・まとめが苦手って致命的だ…」と感じました。 しかし、自分の頭の中のイメージを言語化するのが得意なので、例え話などを取り入れて書くのが得意というようなタイプです。
これまでは無意識に行っていましたが、自分の過去体験などを文章に入れるのが得意なので、積極的に例え話などを取り入れるとより伝わりやすくなります。
”ぼり”が勉強面で認知特性を活かすなら
カメラアイタイプを勉強に活かす
暗記をする時であれば、視覚優位者の特徴を活かして、ストーリーとしてイメージしたものに年数や建物の名前を付け足していくのが得意な覚え方。
教科書をただノートに書き写すだけでは全く暗記ができなかったぼくは、歴史の問題は画像を見ればだいたい戦争の名前や年代を思い出せました。
文字ではなく、図や絵を使ってイメージした方が記憶として残りやすいです。
ファンタジータイプを勉強に活かす
文章で覚えるのでは無く、ストーリーにしてしまえば物を覚え流のも得意です。 暗記の際は元素記号の暗記(水兵リーベ…)や、「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」などの語呂合わせを用いると結果に結びつけやすいです。
認知特性は「人それぞれに合った情報処理方法の分類」
認知特性を学生時代に知っていれば、「ただ教科書を丸写し!」というぼくの勉強方法も少しは改善されていたのかもしれません…
1日6時間くらいかけて教科書をノートにびっしり書き写してたのに満足な結果を得られていなかったのは、まさに「勉強方法が悪かった」ようです。
「自分に合った勉強方法で学ぼう!」とは学生時代にも言われてきましたが、実際に自分に合った勉強方法がわからないという経験はきっとぼくだけの記憶じゃないですよね…?
認知特性の結果を参考に、得意な勉強方法を選んでみましょう。
ただし、認知特性の結果を見て、ただ単純に「この仕事は自分に向いていない」と簡単に割り切ってしまうのではなく、あるひとつの職業の中でも「これは得意でこれは苦手」と、分けて考えることが重要。
認知特性は「人それぞれに合った情報処理方法の分類」という認識が大切です。
自分の「変えられない部分」を理解し、強みとして活かそう。
- 1日5分で丸暗記!スピード英単語!
- 図解で覚える日本の歴史!
- マンガで簡単!誰でもできる株のはじめかた!
このように、世の中には色んな種類のビジネス書や学習法の本が存在します。
しかし、それらは全て著者の方が「自分に合っていた方法」を記しただけ。
文章を書いて暗記するのが得意な人もいれば、リスニングで英語を学ぶのが得意な人もいます。
相関図で見る方がスッキリする人や、マンガでストーリーで見て歴史を覚える人もいます。
ゴマンとあるやり方の中のひとつが自分に合っていなかったとしても落ち込む必要はありません。
認知特性は「強み」と「弱み」をハッキリさせる為の手段です。
まずは自分の認知特性を理解し、自分に合った方法で情報を吸収・表現し、各々が持つ吸収方法を武器にしていきましょ!
自分を知るって、楽しい!
ぼりでした。
今回の記事で紹介・参考にした書籍
今回の記事執筆にあたって認知特性について、診断テストを作った本田さんの著書を参考とさせて頂きました。
6つのタイプに分ける診断テストの見方や、認知特性の活かし方、更には認知特性を更に深掘りして19の能力に分けた著書などがあります。
今回の記事で認知特性に興味が沸いた方は、ぜひぜひこちらの著書も読んでみてください。
得意がわかれば自分が伸びる40問テスト
認知特性について1番わかりやすく開設した1冊です。実際の40問テストと、各特性の特徴と活かし方や、シチュエーション別に活かせる特性などを紹介しています。認知特性の入門編。
医師のつくった「頭のよさ」テスト
ちょっとむずかしいけど詳しく書いてあります。人にはなぜ得手不得手があるのか?など、認知特性の基となる考え方や活かし方について事例を用いて詳しく記してあります。
誰にでも才能はある。問題はその「原石」をどう見つけて磨くかだ
認知特性テストは6種類でしたが、こちらは更に分類し、19の能力に分けてくれます。 ちょっとむずかしい内容になってますが、大人向けの認知特性として、診断ツールを作った本田さんが認知特性を更に掘り下げた著書です。